あ行 | |
秋あがり | 冬の酒造期に搾られた酒は、火入れ(加熱殺菌)の後に熟成される。夏を越えて秋になり、酒質が良くなることをいう。 |
---|---|
味吟醸 | 吟醸酒のなかで、香りは控えめながら、味わいに吟醸の特徴があり、優れている酒をいう。 |
甘酒 | 一般的には米麹に炊いた米や粥などを混ぜ、水を加えて保温し、麹に米のデンプンを糖化させて造った甘い飲み物。お湯に酒粕を溶かして煮込み、砂糖を加えた簡易なものもある。麹で造った甘酒は、ブドウ糖のほかビタミン類が豊富なため、「飲む点滴」ともいわれほど栄養価が高いです。ちなみに、「甘酒」は夏の季語であり、江戸期には甘酒が夏の飲み物であったことを物語っている。 |
アミノ酸度 | アミノ酸の濃度を示した数字。味の濃淡、特に旨みの濃さをみる目安になる。高いほどコクのある濃醇な酒という評価になる。 |
荒櫂あらがい | 酒母を仕込んだ後に蒸米などが水分を吸収して上面に溜る。これを撹拌(かくはん)して糖化を促進させること。 |
荒走り | (あらばしり)発酵させた醪を搾って、最初に出てくる酒。白濁を帯び、炭酸ガスが残っている。フレッシュな風味と飲み口が特徴。搾りたての新酒全般のことを荒走りと総称している場合もある。 |
アルコール 添加 |
醸造用アルコールの添加、略してアル添。アル添する理由は、香りを立たせ、味をすっきりさせるなど、酒質を調整することが目的。吟醸酒、大吟醸酒などの特定名称酒にも行われる。使用量は厳格に定められている。 |
アルコール分 | 15℃の清酒100mlに含まれれる、エチルアルコールのml量。アルコール度数と同意。 |
アルコール 発酵 |
酒造りに使われる酵母は、糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する働きがある。ワインなどの果実酒は、原料に糖分があるためそのままアルコール発酵を行えるが、日本酒やビールなど、米や麦などの穀類やイモ類が原料の酒は、予め原料のデンプン質を糖分に分解する必要がある。そのために日本酒では麹が、ビールでは麦芽が用いられている。このように、デンプン質を糖分に分解することを「糖化」という。 |
泡なし酵母 | 醪の発酵中に高泡を発生しない酵母。醪表面に泡が盛り上がらないので、タンクの内壁が泡で汚れず、泡のスペースがいらないのでタンクいっぱいに醪を仕込むことができる。協会酵母のうち、末尾に01がつくものが泡なし酵母。 |
家付き酵母 | 酒蔵の床土などに棲みついている酵母。昔は多くの蔵が家付き酵母を使用していたが、現在では協会酵母などの優良酵母を使っている蔵がほとんど。(同意:蔵付き酵母) |
一般米(飯米) | 「もちごめ」と区別するために、正式には「うるち米」という。酒造りにも向いた一般米品種(もしくは掛米品種)として東日本ではトヨニシキやキヨニシキ等が、西日本では日本晴やレイホウ等が生産されていたが、近年コシヒカリやササニシキ等のブランド米に押されて生産量も激減している。 |
うすにごり(ささにごり) | 「滓(おり)がらみ」ともいう。伝統的な圧搾機「槽(ふね)」で発酵の終わった醪を搾ると、最初は濁った酒が出てくる。時間とともに徐々に透明になっていくが、搾りあがった酒全体もうっすら濁っている。これをそのまま瓶詰したものや、しばらく静置して上澄みを取り除いたあとの滓の部分を製品化したもの。 |
上立ち香 | 利く酒などをする際、口に入れる前に鼻腔に近づけると感じられる、清酒特有の香り。はな立ち香ともいう。 |
追い回し | 江戸時代の旧職制の名称で、年少者が蔵のあらゆる仕事に追い回されることからついた。現在でも、蔵のあらゆる仕事に携わる若い蔵人や臨時就労者に対し、この言葉を使うことがある。 |
男酒 | 仕込み水に硬水を用い、発酵を強く進めた短期の醪から醸される、酸の多い濃醇で骨太の辛口酒をいう。 |
女酒 | 仕込み水に軟水を用い、穏やかに発行させ長期の醪から醸される、酸の少ないソフトで甘く感じる酒をいう。 |
踊り | 三段仕込みのなかで、初添と仲添の間に一日仕込みを休む日のことをいう。躍りの間に酵母の増殖を促し、仲・留添に備える目的。 |
雄町 | 大正11年に岡山県農業試験場で品種登録された酒造好適米。独特のふくらみをもつ酒に仕上がり、根強い人気がある。 |
滓(澱) | 槽・圧搾機で搾られた酒に残った白い微粒子。原料米の細かい破片(デンプンや繊維質などの塊)や、酵母などがその正体。 |
滓引き 滓下げ |
数日間静置して白い浮遊物の滓を沈殿させ、透明な上澄みだけを取り除くことをいう。 |
か行 | |
香り吟醸 | 「味吟醸」に対して、香りの際立った華やかなタイプの吟醸酒をいう。 |
掛け米 | 蒸しただけで、仕込みに使用される米のこと。酒母造りの時に投入される蒸し米と、醪造り時の初添、仲添、留添で投入される蒸し米を言う。 |
活性清酒 | 醪の蒸米や米麹の粒を細かく砕いて、目の粗い布などでこしただけの白く濁った酒のこと。瓶詰め後も微弱な発酵が続き、炭酸ガスが含まれているので開栓時に注意する。瓶内のガス圧が上がりすぎるのを防ぐため、フタに小さな穴があいているものもある。 |
枯らし | 酒母や醪ができあがってから使用せずに置いておくこと。酒母の場合、この期間は後発酵があり、糖分が消費され、アルコールや酸が生成される。 |
亀の尾 | 明治26年、山形県の農民・阿部亀治が冷害の年に近隣の立谷村で在来品種「惣兵衛早生」の冷立稲の中から見つけ出した3本の稲穂から選抜。生育を繰り返し明治30年に誕生した品種。冷害に強いことから、現在東日本で栽培されている品種の多くが「亀の尾」の血を引いている。 |
鑑評会 品評会 |
新酒の技術的な研究会として始められたのが鑑評会。酒の出来映えを競うのが品評会。一般的に鑑評会といえば全国新酒鑑評会をさすことが多い。酒類総合研究所が主催となって、毎年新酒のできあがる春に開かれている。各都道府県レベルの鑑評会では、春と秋の2回行われる場合もある。 |
燗酒 | 日本酒をお湯につけるなどして温めること。または、温めた酒をいう。30度前後=日向燗、35度前後=人肌燗、40度前後=ぬる燗、45度前後=上燗、50度前後=熱燗、55度前後=飛び切り燗、と呼ぶ。燗酒はアルコールの体内への吸収が早いため、冷酒より早く酔いを感じることから飲み過ぎる心配が少ない。また、アルコール分解速度も速く、二日酔いもしにくく、身体にやさしい飲み方といえる。 |
寒造り | 江戸時代の中頃までは、真夏を除いてほぼ一年中酒が造られていたが、暖かい季節には雑菌の活動が活発で腐造などが起こりやすかった。また、豪農などの地主が冬場の副職として酒造りをすることが多くなってきたこともあり、幕府は秋の彼岸から春の彼岸までを酒造期と定めた。当時は造る時期に応じて酒の呼び名が変わり、寒の入りから節分までに造られる酒を「寒酒」と呼んでいた。これが寒造りの由来となった。 |
生一本 | 「混じり気がない酒」という意味。一つの製造所(酒蔵)で造った純米酒は表示できる。大きな蔵元はいくつもの製造所を持っていて、それぞれ造ったものをブレンドして出荷することが多い。「生一本」と表示できる純米酒は、たとえ同一の蔵でも製造所が違うものをブレンドしてはいけない。 |
木桶仕込み | 杉製の樽で仕込んだお酒。現在の日本酒は一般的にステンレスかホウロータンクで造っている。 |
利き酒 | 酒の官能検査のことで、テイスティングともいう。酒の「外観(色や透明度)」を見た後、自然に立ちのぼってくる「上立ち香」を嗅ぎ、酒を口に含んで、味わいと口の中で感じる香り「口中香(含み香)」をみて評価する。一般的には飲み込まず吐き捨てる。 |
黄麹菌 | 麹菌の代表的な菌種。日本で清酒の他に味噌、醤油、味醂などの製造における種菌として古くから用いられている。 |
貴醸酒 | 仕込水の半分、または全部を日本酒に置き換えて造った酒。独特の味わいで、アイスクリームやチョコレートなどとも相性が良い。 |
生酛仕込きもとしこみ | 天然の硝酸還元菌がつくる亜硝酸と、天然の乳酸菌がつくる乳酸の作用で、雑菌の繁殖を防ぎながら、清酒酵母だけを育てていく古来からの手法。工程の中で、麹や蒸米をすりづぶす「酛(もと)摺り(山卸 ヤマオロシ)」という作業を伴っていた。時間をかけて雑菌を自然淘汰しながら、酵母を育成するため、力強い酵母だけが生き残る。濃醇で、深みのある味わいになりやすく、技術と経験の差が品質に反映されやすい。 |
協会酵母 | 日本醸造協会が全国の蔵元に販売している優良酵母。かつては、鑑評会や品評会で優秀な成績の蔵元から分離育成された。 |
吟醸香 | 吟醸酒がもつ特有のリンゴやメロンを思わせるフルーティな香りのこと。 |
吟醸酒 | 広義な意味では大吟醸も含む。狭義な意味では、精米歩合60%以下の白米を用い、「突き破精(ツキハゼ)」と呼ばれる吟醸に適した麹を作り、香り高い吟醸酵母で仕込み、低温で発酵させて造ったお酒。醸造用アルコールを添加して味をまとめた「本醸造タイプ(吟醸酒)」と醸造用アルコールを加えない「純米タイプ(純米吟醸)」の2種類がある。 |
金賞受賞酒 | 全国新酒鑑評会をはじめ、各地で開催される各種鑑評会で上位入賞をはたした酒。 |
蔵人 | 酒造りの現場で働く職人の総称。 |
原酒 | できあがった酒に水や醸造用アルコール等を加えていない状態のもの。またはそれを瓶詰めしたもの。 |
玄米 | もみを脱穀して外えい、内えい等を取り除いた米の種子のこと。 |
麹こうじ | 米粒に麹菌を生やしたものをいい、米麹ともいう。蒸米に麹菌の胞子(種麹という)を散布して、温度や湿度を調整しながら約2昼夜かけて麹を完成させる。役割は、酵素の力で米のデンプンをブドウ糖に分解すること。 |
麹蓋こうじぶた | 麹造りの後半で、麹米を小分けにして入れる30㎝×45㎝、深さ5㎝ほどの杉板でできた小箱のこと。この麹蓋を拡大したものが「麹箱」 |
麹室こうじむろ | 麹を造るための部屋。麹菌は高温多湿の環境下で育つため、真冬でも30度近い室温が保てる保温性と、適度な湿度の調整、二酸化炭素の排気が行える換起性を求められる。 |
酵素 | 麹菌が生産するたんぱく質のことで、米のデンプン質を酵母が発酵するための糖分に変える働きをする。 |
硬度 | 水の中のカルシウムとマグネシウム量を表す数値。硬度の高い水を硬水、低いものを軟水という。 |
酵母 | 糖をアルコールに変える働きをする微生物。自然界には無数の酵母が存在するが、酒類には糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する能力の高い酵母が選択されている。特に清酒酵母は、低温でよく発酵し、ブドウ糖をアルコールに変える能力が高く、有機酸の生成が少ないことが特徴。 |
甑こしき | 洗米して水分を吸水させた浸漬米を蒸すため、高温蒸を発生させる大きな釜の上に設置する蒸し機のこと。 |
古酒 | 長期熟成酒ともいう。蔵元では、前・酒造年度に造られた酒を「古酒」といい、前々・酒造年度以前に造られた酒を「大古酒」という。しかし、一般的には三年以上熟成させた商品を指すことが多い。熟成期間の異なる酒をブレンドした場合は、年数の短いものの年数で表示することが義務付けられている。 |
五百万石 | 酒造好適米の一品種。昭和31年、新潟県農業試験場で誕生した。新潟県の米の生産量が500万石を突破したことを記念して命名された。 |
さ行 | |
酒林 | 酒蔵の入口の軒下に飾られる杉の葉で作られた球状の飾り物。現在では酒販店や居酒屋でも時々目にする。新しい酒林が吊るされると、新酒ができました・搾りをはじめました、という合図になり、やがて茶色に変色していく色合いが酒の熟度の目安になったという。 |
酒米 | 広義には、お酒の造りに使われる全ての原料米を指す。狭義には酒造好適米を指す。 |
酒粕 | 醪を搾った時、袋や圧搾板に残る固形物。未分解の米や麹の破片、酵母も含まれている。板粕、ばら粕、練り粕等に分けられる。 |
三段仕込み | 水と蒸米、米麹を3回に分けて酒母に加え、醪をつくる方式のこと。一回目を「初添」、二回目を「仲添」、三回目を「留添」という。 |
酸度 | 酒に含まれる酸の総称。日本酒に含まれる酸は、乳酸、コハク酸、リンゴ酸の3種類でほぼ70%を占める。酸が高いと辛く濃く感じ、低いと甘く淡く感じることが多い。 |
仕込み水 | 酒母や醪の仕込み時に使用する酒造用水。仕込み水のような醸造用の水の水質基準は一般の水道水よりも厳しい。 |
搾り | 発酵の終了した醪を、酒の酒粕に分けること。圧搾ともいう。 |
熟成 | 搾ったばかりの日本酒の新酒は、アルコールや酸など、酒に含まれる成分が水と馴染んでいないため、フレッシュだが粗々しい特徴を持つ。その新酒を貯蔵タンクやビンに詰めて貯蔵すると、少しずつ角が取れまろやかに変化する。また、様々な成分が酸化や化合、分解を繰り返すことで、少し黄ばんだ色に変わり、複雑で濃厚な味わいへと変化する。この変化を熟成という。 |
雫酒 | 機械を使わず、自然の重力に任せる方式で搾られた上質な酒をいう。主に袋吊りで採取された酒をいうことが多い。 |
酒造好適米 | 酒造り専用の米の品種。米粒が大粒でやわらかく、米粒の中心部分に「心白」という白く濁ったデンプン質の塊があり、たんぱく質が少ないなどの特徴を持つ。 |
酒造年度 | 酒造年度=BY(Brewery Yearの略) 7月1日~翌年6月30日までの一年間をいう。 |
酒母 | 水、米麹、蒸米に酵母を加えたもので、酛(モト)とも呼ばれる。安全な発酵を行い、高品質な日本酒を得るために優良な清酒酵母をよりたくさん増やす目的で「酒母」は造られる。酒母育成の初期に、自然の乳酸菌が乳酸を生成する生酛酒母と、最初から乳酸を添加する速醸酒母がある。 |
純米酒 | 米と米麹だけで造られるお酒。精米歩合が60%以下、または特別な製法で醸されている純米酒を特別純米酒と呼ぶことも。 |
蒸 | 米を蒸すこと |
上槽じょうそう | 醪を圧搾して、酒と粕に分離すること。 |
醸造用 アルコール |
酒の香味を整えるために添加されるアルコールのことで、発酵を終えた醪に加えられる。保存性を高めたり、味をすっきりさせる効用もある。糖類を含む穀物等を発酵させて作ったアルコールが原料としてつかわれる。 |
新酒 | 酒造年度内(7月1日~6月30日)に造られた酒をいうが、一般的には冬から春先に出回る「しぼりたて」をいうことが多い。 |
浸漬 | 白米を水に漬けて吸水させることをいう。 |
心白しんぱく | 米の中心部が白く不透明に見える状態、またその部分をいう。 |
精米 | 玄米の表層部分を削り取り、白米にすることを精米という。 |
精米歩合 | 玄米の重量を100としたときの白米の重量を示した数値で、%で表される。たとえば、精米歩合70%の白米とは、玄米の表層部分を30%を取り除いたものをいう。 |
製造年月 | 日本酒は、原則として製品を容器に詰めた年月を製造年月として表示することになっている。 |
責め(攻め) | 醪を搾る工程で、終盤に出てくる原酒の呼称。 |
洗米 | 白米を水洗いすること。 |
総米量 | 酒造りのために蒸された米は、3つの用途に分けられる。麹造り用、酒母造り用、醪造りに用いられる掛米用。これらの米で1本のタンクを仕込むのに使われる米の総量をいう。 |
速醸酛そくじょうもと | 明治43年に考案された酒母造りにおける方法。酒母を仕込む際に乳酸、乳酸水を投入して酒母中の雑菌を駆遂。酵素による糖化を促進する。約2週間ほどで酒母ができあがるので、時間が短縮されて雑菌に汚染されることもなくなった。 |
た行 | |
種麹 | 麹造りで蒸米にふりかける麹菌。 |
樽酒 | 杉製の樽に入れた酒。または、いったん杉樽に詰めた後、瓶に詰め替えた酒。 |
低アルコール | アルコール度数が8~10度程度のものが主流。 |
出麹 | 麹ができあがって、製麹室から出す作業をいう。 |
杜氏 | 蔵人全体を指すこともあるが、本来は酒造りを指揮する蔵人の長のことをいう。 |
特定名称酒 | 本醸造酒以上、つまり純米酒、吟醸酒を含めた高級酒の総称。普通酒以外のお酒。この特定名称を表示できるのは、所定の製法品質表示基準を満たす場合に限られる。 |
斗瓶 | 一斗は一升瓶の10倍(18ℓ)。一斗入りの瓶のこと。 |
斗瓶取り 斗瓶囲い |
搾った酒を斗瓶で直接受ける方法で詰め、その瓶で貯蔵した酒。 |
濁酒 | 米麹と米や麦などで仕込んだ醪を搾らずにそのまま、または目のあらいザル・布で濾しただけで飲む酒。 |
な行 | |
中垂れ 中取り 中汲み |
醪を搾る時、最初に出はじめる「あらばしり」は、やや薄にごりであるが、徐々に透明になってくる。その透明になった部分を中垂れ等といい、香味のバランスが取れた部分である。 |
生酒 生貯蔵酒 生詰酒 |
通常日本酒は出荷されるまでに2回の加熱殺菌が行われる。1回は新酒を貯蔵する際、もう1回は出荷のためのビン詰め時である。この2回の加熱殺菌を一切行わないものを「生酒(本生)」と呼ぶ。また、生酒のまま冷蔵タンクで貯蔵し、瓶詰め時にだけ加熱殺菌を行った「生貯蔵酒」、貯蔵する際にのみ加熱殺菌し、瓶詰時には加熱殺菌をしない「生詰酒」がある。 |
にごり酒 | 醪を搾る際、目の粗いフィルターなどで濾したもの。フィルターの目をすり抜けた細かい米の粒子などが浮遊しているため、白く濁って見える。 |
日本酒度 | 一般的には甘辛をみる指標とされている。正確には酒の比重を表し、エキス分の多い酒は比重が大きく、エキス分の少ない酒は比重が小さい。エキス分の大部分が糖分であることから甘辛の目安とされる。数値が+になるほど辛口、-になるほど甘口とされるが、おおよその目安でしかない。 |
乳酸 | 醸造物中の有機酸の一成分であり、酒母造りにおいて有害菌の抑制のために使われる。 |
呑み切り | 初夏から何度か繰り返される、熟成途中の貯蔵酒の品質をチェックする行為。 |
は行 | |
白米 | 玄米を精米した状態の米。 |
破精はぜ | 麹造りにおける蒸米への麹菌の増殖具合をいう。 |
火入れ | 日本酒の品質維持のために行われる加熱殺菌のこと。65℃程度の温度まで加熱して殺菌と残存酵素の失活をはかる。 |
ひやおろし | 新酒を春先に加熱殺菌して貯蔵し、秋になって気温が貯蔵酒と同じくらいの温度になった頃を見計らって、火入れをせず、そのまま瓶詰して出荷される酒。 |
普通酒 | 通常、特定名称酒に当てはまらない酒を指す。 |
袋吊り 袋取り |
醪を酒袋と呼ばれるしぼり袋に入れて吊るし、重力で自然に垂れてきた清酒を集める方法。 |
並行複発酵 | 発酵中の日本酒の醪の中では、麹が米のデンプンをブドウ糖に変える「糖化」と、酵母がブドウ糖をアルコールに変える「発酵」が同時に進行している。このような発酵形態を「並行複発酵」という。 |
扁平精米 | 通常、米を精米すると、米の突出した部分から削られるため、米は徐々に球状になる。扁平精米の場合、米を削るグラインダーをゆっくり回転させることで、米の表層部を均等に削り、たんぱく質を効率よく取り除くことができる。 |
本醸造 (特別本醸造) |
精米歩合70%以下の白米を使用して仕込み、発酵の終わった醪に、ごく少量の醸造アルコールを添加した酒。添加量は白米の重量10%以下と定められている。特別本醸造は精米歩合が60%以下、または自社の「本醸造」と比べて明らかに製法上の特別性が表示されているもの。 |
放冷 | 蒸米を所定の温度になるまで、空気によって冷却すること。 |
ま行 | |
無濾過 | 通常は炭素濾過といって澱を取り除いた酒に活性炭を入れ余分な雑味や色を吸着させている。これを一切しない酒。 |
醪もろみ | 酒を造る過程での主発酵を行う工程。できあがった酒母に仕込水と米麹と蒸米を3回に分けて仕込み、糖化・アルコール発酵させたもの。醪の量を徐々に増やすことで酵母や乳酸が減らないようにする。 |
や行 | |
山おろし | 蒸米、米麹、水を浅い半切り桶の中に分け入れて、一日に数回、櫂棒ですりつぶす作業。 |
山田錦 | 昭和11年に兵庫県で開発された、数ある酒造好適米のなかでも、酒造特性に優れる酒米で、香り高い大吟醸酒用として特に多く使用され、作付面積は日本一を誇る。 |
山廃仕込 | 生酛仕込みのうち、最も過酷な労力を要する「山おろし」を廃止した酒母の育て方。「山おろし廃止酛」を略して「山廃」と呼ばれる。 |
四段仕込 | 甘口の酒を造る際、三段に仕込んだ留添の後、もち米や蒸米を加えるといった工程を加える。これらの総称。 |
ら行 | |
濾過 | 醪を搾ったばかりの日本酒は、滓が浮遊していて、やや山吹色かかっている。滓引きでも除去できなかった微細な滓や雑菌を取り除き、酒質をすっきりさせるために、細かいフィルターを通す作業。 |
わ行 | |
割水 | 加水ともいう。一般的な日本酒は、貯蔵しておいた原酒に瓶詰前に水を加えてアルコール分を調整して出荷する。この水を加えること。 |